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米地区連銀報告:経済はわずかないし緩慢に拡大-回復まだら模様

更新日時
  • 外食産業、気温低下で売り上げ落ち込む可能性を懸念
  • 景気対策の終了で不透明感の極めて強い状況が続いた

米連邦準備制度理事会(FRB)が21日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によれば、経済活動は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)から回復する中で、全国的に拡大が続いた。ただ状況はまだら模様だった。

  ベージュブックでは「活動の変化はセクターごとに大きく異なった」と指摘。「経済活動は全地区にわたって拡大が続いたが、成長ペースは大半の地区でわずかないし緩慢と判断された」という。

  今回のベージュブックは、10月9日までに12地区連銀が集めた情報を基にまとめられた。次回の連邦公開市場委員会(FOMC)は大統領・議会選直後の11月4、5両日。

Spending on services is still weak as durable-goods expenditures bounce back

  また「各地区は調査先の見通しについて、おおむね楽観的ないし前向きと表現したが、著しい不透明感にも言及した」と指摘した。

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  製造業活動は拡大し住宅販売は安定した需要が見られた一方、一部地区では小売売上高が横ばいとなり、商業用不動産は倉庫と工業用地を除く多くで状況が悪化した。

  レストランなど外食産業は、これまで屋外でのサービス提供で経営を維持してきたが、今後は気温の低下で売り上げが落ち込む可能性に不安の声を上げた。銀行は、これまで安定していたローン延滞率が向こう数カ月に上昇する可能性があることに懸念を示した。

  雇用は拡大したものの、ペースは緩慢なものにとどまった。採用する企業は労働市場がタイトになっていると指摘。その原因として、健康と育児に関する労働者の懸念、見通しに対する不透明感を挙げた。

  フィラデルフィア連銀は「パンデミックが続く一方で景気対策は終了しており、レイオフや差し押さえ、破綻への不安から極めて不透明感の強い状況が続いた」と指摘した。

  このほかダラス連銀やリッチモンド連銀を含む一部では、選挙も不確実要素として浮上したと報告された。

  一方で幾つかの地区は、不動産市場の改善を受けて建設業が活況となり、賃金の上昇につながったと報告した。

原題:Fed Highlights Uncertainty Amid Uneven Recovery as Some Struggle(抜粋)

(第5、9段落を加え、更新します)
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