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ヘッジファンドの米選挙戦略、混沌から「ブルーウエーブ」にシフト

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ヘッジファンド運用会社は米大統領・議会選挙に絡む混沌(こんとん)に備える戦略から、「ブルーウエーブ」に乗る戦略へとシフトしつつある。

  選挙を6日後に控え、民主党候補のバイデン前副大統領が勝利するとともに共和党が上院を失うといういわゆる「ブルーウエーブ」を、複数の大手ファンドが予想している。

  UBSオコナーとハーベスト・ボラティリティー・マネジメント、MKPキャピタル・マネジメントは、トランプ大統領が敗れる公算が大きいとみて、その場合に利益が出そうなバリュー株買いやコモディティー投資など一連の戦略を取っている。

  UBSオコナーのケビン・ラッセル最高投資責任者(CIO)責任者は、「ここ3カ月はこればかり考えてきた」と語る。「リスクという点で、今回の選挙は大規模で明白なイベントだったが、今ではずっと無害のイベントになりつつある」と述べた。

  ただ、選挙の方向についてはいずれも同じ考えであっても、ファンドは全面的に一方に賭けることはしない。投票日直前に想定外の事態が起きる可能性はこれまでにもあったし、選挙結果についてもめる可能性もあるからだ。

ブルーウエーブは株価を圧迫、インフレ4%超も-ドラッケンミラー氏

  世論調査を集計するファイブサーティーエイトの予測モデルは、バイデン氏が選挙人獲得数で勝利する確率を27日時点で88%と算出した。しかし郵便投票の多さや、不正が起こり得るとトランプ氏が根拠のない主張を繰り返していることなどを考えると、接戦の結果がすんなりとは認められず法的闘争にもつれる可能性はある。

  ラッセル氏がインタビューで述べたところによると、UBSオコナーはブルーウエーブの可能性を50%以上とみている。マルチストラテジーで24億ドルを運用する同社は27日時点で、鉄鋼や素材などバリュー志向の鉱工業セクターに緩やかにシフトした。これらはバイデン氏のインフラ政策およびグリーンエネルギー計画の恩恵を受ける。

  ハーベスト・ボラティリティー・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジョシュ・シルバ氏は民主党圧勝で追い風を受けるコモディティーと小型株をロングにしていると話した。

原題:
Hedge Funds That Planned for U.S. Election Chaos See a Blue Wave(抜粋)

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