コンテンツにスキップする
Subscriber Only

FRB理事がクリントン大統領候補に献金、中銀の独立性に絡み論議も

  • 11月から1月までに750ドルを献金、連邦規則の範囲内
  • FRB理事の寄付について、問題は「視覚的なもの」と専門家

米金融当局者らが金融政策の無党派および政治からの独立の必要性を主張する中、連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事はヒラリー・クリントン氏に献金を行っていた。

  米連邦選挙委員会(FEC)の記録によると、ブレイナード理事は大統領選の民主党候補指名を目指すクリントン氏の選挙キャンペーンに昨年11月から今年1月までの間、3度にわたって合わせて750ドル(約8万4000円)寄付した。

  ブレイナード氏は連邦規則の範囲内で行動したもので、クリントン氏とは家族ぐるみでの結びつきも強い。ブレイナード氏はFRB理事になる前は、オバマ政権に指名され財務省高官の職にあった。ブレイナード氏の夫であるカート・キャンベル氏はクリントン氏が国務長官だった当時のトップアドバイザーで、国務次官補(東アジア・太平洋担当)を務めた。

  ブルッキングズ研究所のサラ・バインダー上級研究員はブレイナード氏の献金について、「連邦準備制度や同理事会がオバマ政権と近い関係にあるとする共和党の論調を強める可能性はある」と分析する。バインダー上級研究員は政治と中央銀行に関する書籍を執筆している。

  連邦政府の記録によると、今回の大統領選で候補者に寄付を行ったFRB理事はブレイナード理事以外にいない。FRB報道官のミシェル・スミス氏は、理事会メンバーは党派的な政治活動には従事しないが、行政機関の全従業員と同様に連邦ガイドラインの下で投票や選挙キャンペーンへの献金を行うことはできると述べた。

  バインダー氏は「問題があるとすれば、それは視覚的なものだ」と指摘。「理事らがどこで一線を引きたいと考え、どのように見られたいと望んでいるかという問題だ」と続けた。
  
原題:Fed Governor Donates to Clinton Even as Bank Guards Independence(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE