米生産者物価指数、3月は前年比11.2%上昇-過去最大の伸び
Olivia Rockeman-
前年比での伸びは統計でさかのぼれる2010年以降最大-予想も上回る
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前月比では1.4%上昇で、こちらも過去最大の伸び
3月の米生産者物価指数(PPI)は、前年同月比での伸び率が統計でさかのぼれる2010年以降で最大となった。上昇率は市場調査での予想全てを上回り、初期のインフレ圧力が根強く続いていることが浮き彫りとなった。今後消費者に影響が及ぶ恐れがある。
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変動の大きい食品とエネルギーを除くコアPPIは前月比1%上昇、前年比では9.2%上昇。伸びは共に市場予想を大きく上回った。
今回のPPIと前日発表された消費者物価指数(CPI)を受け、米金融当局に対し一段と積極的な利上げを求める圧力が強まった格好だ。
米消費者物価指数8.5%上昇、伸び加速-FRBへの圧力強まる (2)
3月のPPIは、ロシアによるウクライナ侵攻開始からの1カ月で供給経路における圧力が強まり、エネルギーと食品、金属の価格が押し上げられたことを示している。さらに、製造業などの生産者は堅調な需要に対応するため供給を増やそうと取り組んでいるものの、輸送上のボトルネックと労働力不足から厳しい状況が続いている。
3月は輸送・倉庫が前月比5.5%上昇と過去最大の伸び。貨物のトラック輸送コストと航空運賃の上昇が特に大きかった。
財のコストは前月比2.3%上昇で、前月と同率の伸び。伸び全体の半分余りはエネルギー価格(5.7%上昇)が占めた。一方サービスのコストは0.9%上昇(前月0.3%上昇)。
食品とエネルギー、貿易サービスを除くPPIは前月比0.9%上昇と、伸びは2021年初め以来の大きさ。前年比では7%上昇した。
生産過程における比較的早い段階での物価を反映する中間財は、前月比2.1%上昇。そのうち60%余りはジェット燃料をはじめとするエネルギーの上昇が影響した。中間財は前年比では21.7%上昇した。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:Producer Prices in U.S. Surge Most on Record, Topping Estimates(抜粋)