米CPI、前年同月比9.1%上昇に加速-FRBへの圧力強まる
Olivia Rockeman-
総合CPI、前月比1.3%上昇-2005年以来の大幅な伸び
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前月比の伸びはガソリンや食品価格、住居費の上昇を反映

6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比で約40年半ぶりの高い伸びとなった。米金融当局は積極的に利上げを実施するとの決意を固める可能性が高いが、それは景気拡大の流れを大きく損なうリスクを伴う。
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総合CPIの前年同月比の伸びが市場予想を上回るのはこれで4カ月連続。また、前月比での伸びはガソリン価格や住居費、食品コストなどの上昇を反映した。

今回の統計は物価圧力の勢いが強く、かつ経済全般に広がっており、実質賃金に一段と影響を与えていることをあらためて確認する内容となった。米金融当局はこの結果を受けて、需要抑制に向けた積極的な政策方針を維持する見通しだ。中間選挙を控えて支持率が低下しているバイデン大統領や議会民主党にも一段の圧力がかかるとみられる。
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BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サル・グアティエリ氏は「インフレは鈍化しているどころか、加速している」とリポートで指摘。「7月のガソリン価格低下や伝えられている小売りの値引きは物価上昇の勢いを抑える一助になるだろうが、家賃を中心にコア指数に見られる広範な圧力はインフレがまだしばらくはピークに達しない可能性があり、根強い高水準が想定以上に長期化する可能性を示唆している」と記した。
6月は生活必需品の価格が引き続き非常に大幅な伸びを示し、ガソリン価格は前月比11.2%上昇。電気や天然ガスを含むエネルギーサービスの価格は3.5%上昇と、06年以来の高い伸び。食品価格は前月比1%上昇。前年同月比では10.4%上昇と、1981年以来の大きな伸びとなった。
財のコストは前月比2.1%上昇。サービスコストは0.9%上昇と、約21年ぶりの大幅な伸びを記録した。
住居費
家賃は前月比0.8%上昇と、1986年以来の大幅な伸び。帰属家賃は0.7%上昇で、約32年ぶりの上昇率となった。サービス分野で最大の構成要素でCPI全体の約3分の1を占める住居費は0.6%上昇で、前月と同率の伸びを示した。
中古車の価格は前月比1.6%、新車は0.7%それぞれ伸びた。
一方、ホテルや航空運賃、レンタカーのコストは前月比で低下した。過去数カ月は記録的な伸びとなっていた。
別の統計によれば、インフレ調整後の実質平均時給は前年同月比3.6%減と、07年までさかのぼれるデータで最大の落ち込みとなった。実質賃金はこれで15カ月連続のマイナス。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:
US Inflation Quickens to 9.1%, Amping Up Fed Pressure to Go Big(抜粋)、US June CPI Rose 1.3%, Above Estimate(抜粋)