カナダ中銀、24年ぶり1ポイント利上げ-引き締め局面でG7初
Erik Hertzberg-
中銀政策委は「政策金利のさらなる引き上げが必要」との判断を示す
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高インフレ持続で制御困難な賃金と物価上昇の悪循環が生じる恐れ

カナダ銀行(中央銀行)は13日、主要政策金利である翌日物金利を1ポイント引き上げ、2.5%とする決定を行ったと発表した。現在の金融引き締め局面で1ポイントの大幅利上げに踏み切るのは主要7カ国(G7)で初めて。加中銀としても1998年以来24年ぶりとなる。
約40年ぶりの高インフレが定着する恐れが高まる中で、マックレム総裁を中心とする政策担当者は市場が見込んでいた0.75ポイントを上回る予想外の急ピッチな利上げを決め、緩和的金融政策の正常化を前倒しした。中銀の政策委員会は「政策金利のさらなる引き上げが必要」との判断を示した。
加中銀は高インフレが持続する結果、制御困難な賃金と物価上昇の悪循環が生じる不安に言及。「経済は明らかに超過需要の状態にあり、インフレは高く広がりを見せ、インフレの高止まりがより長期化すると予想する企業や消費者が増えている」と声明で分析した。

その上で「政策委には物価安定の責務を果たす強い決意があり、2%のインフレ目標達成に必要とされる対応を今後も継続する」と表明した。
マックレム総裁は政策決定発表後の記者会見冒頭の声明で、「前倒しで今利上げすることで、先々これまで以上に高い水準に金利を引き上げる必要を回避しようとしている。これは政策金利を速やかに上限までもっていく根拠になる」と説明した。ターミナルレート(利上げの最終到達点)については、中銀が2-3%と見積もる中立金利のレンジを「若干」上回るとの認識を明らかにした。
中銀は同時に公表した金融政策報告で、インフレ率が今後数カ月8%前後で推移した後、年末までに7.5%に低下するが、24年末になるまで2%の目標水準に戻ることはないと予測した。
カナダ・ドルは現地時間正午すぎ時点で1米ドル=1.2952カナダ・ドルと0.5%余り上昇。14日のアジア時間午前は1.3カナダ・ドル前後で取引された。カナダの2年国債利回りは一時10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)前後上げ、3.31%を付けた。

What Bloomberg Economics Says...
“The BoC presented its surprise 100-basis-point hike as a front-loading of higher rates, but the move suggests the endpoint of the hiking cycle will be higher than markets expect.”
--Andrew Husby, economist
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原題:Bank of Canada Hikes 100 Basis Points in Bid to Crush Inflation(抜粋)