投資家は完全降伏、リスク回避は金融危機時以上-BofA調査
Sagarika Jaisinghani、Michael Msika-
58%のファンドマネジャーが通常より低いリスクを取っている
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株式市場の地域別ではユーロ圏と日本について投資家は最も弱気
投資家はリスク資産へのエクスポージャーを世界金融危機時よりもさらに引き下げたことが、バンク・オブ・アメリカ(BofA)の月次ファンドマネジャー調査で分かった。「悲惨な」経済見通しの中で投資家の完全降伏が示唆された。
世界の経済成長と企業利益への期待は史上最低に落ち込み、リセッション(景気後退)予想は新型コロナウイルス禍にあった2020年5月以来の水準に達している。マイケル・ハートネット氏らストラテジストがリポートで指摘した。
調査によれば、株式への資金配分は08年10月以来の低水準となり、マネーマーケットファンド(MMF)は01年以来の高水準。通常より低いリスクを取っていると回答したファンドマネジャーは差し引きで58%に上り、世界金融危機時を上回る記録的水準に達した。
調査は合計運用資産7220億ドル(約99兆3000億円)の運用者259人を対象とし、15日までの1週間に実施。最大のテールリスクは高インフレ、次いで世界的リセッション、タカ派の中央銀行、システミックなクレジットイベントとの認識が示された。一方、向こう1年にインフレ率が低下するとの予想も金融危機以降で最高だった。これは金利低下見通しを意味する。
BofAのストラテジストらによれば、同社独自のブル・ベア指標は「最大の弱気」を示しており、目先の反発の兆候である可能性もある。
「2022年下期のファンダメンタルズは良好ではないが、センチメントは今後数週間の株式・クレジットの反発を示唆している」とハートネット氏らは分析した。
最も集中している取引は米ドルと原油・商品、ESG(環境・社会・ガバナンス)関連資産、現金のロングと、米国債のショートだという。
株式市場の地域別ではユーロ圏と日本について投資家は最も弱気だった。
原題:BofA Survey Shows Full Investor Capitulation Amid Pessimism (1)(抜粋)