米ADP民間雇用者数、21年初め以来の低い伸び-統計手法は変更
Reade Pickert-
8月の民間雇用者数、13.2万人増-市場予想30万人増
-
賃金の伸び、転職者は前年比16.1%増-転職しなかった人の2倍余り

ADPリサーチ・インスティテュートが発表した8月の米民間雇用者数は、比較的低い伸びにとどまった。高インフレと金利上昇を背景に、雇用が鈍りつつある状況が示唆された。ADPは今回から新しい手法で統計をまとめている。
キーポイント |
---|
|
ADPはスタンフォード・デジタル・エコノミー・ラボと共同でデータを集計した。ADPは統計手法の見直しを6月に発表し、データ発表を一時停止していた。
ADP Payroll Growth
Private jobs grew by 132,000 this month, smallest since January 2021
Source: ADP
ADPのチーフエコノミスト、ネラ・リチャードソン氏は「雇用がより保守的なペースにシフトしていることをデータは示唆している。企業は恐らく、経済の相反するシグナルを読み解こうとしている」と発表資料で分析。「雇用が過熱気味に増加していた局面から、より通常のペースへと移る転換点にあるのかもしれない」と指摘した。
業種別で雇用が特に増加したのは、娯楽・ホスピタリティーと貿易・運輸・公益、建設。一方、金融や情報、ビジネスサービス、教育・ヘルスサービスでは減少した。地域別では南部と西部での伸びが目立った。
統計は賃金の伸びについても分析。転職した人の賃金は前年同月比で16.1%増え、転職しなかった人の伸び(7.6%増)の2倍を超えた。
業種別では娯楽・ホスピタリティーと貿易・運輸・公益で、賃金の伸びが特に大きかった。男女別では、女性の方が若干増加ペースが速いという結果も示された。従業員数が500人以上の大企業では賃金が前年同月比8.3%増えた一方、20人未満の小規模企業では5.4%増にとどまった。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Companies Add Fewest Jobs Since Early 2021, New ADP Data Show(抜粋)