中国副首相、コロナ対策「新たな段階」-「動態清零」に触れず
Jacob Gu-
孫副首相が北京で開いた国家衛生健康委員会との会合で発言
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ゼロコロナ政策意味する言葉用いなかったのは偶然ではないとの指摘

Residents queue to take Covid-19 tests in Shanghai, China, on Wednesday, Nov. 30, 2022.
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg中国の新型コロナウイルス対策は新たな段階に入りつつあると、政府の対コロナ政策を担当する孫春蘭副首相が述べた。中国政府が戦略の修正を図ろうとしている可能性があらためて示された。
孫副首相は11月30日に北京で国家衛生健康委員会および専門家らと会合を開き、「オミクロン株の病原性は比較的弱く、ワクチン接種も進み、新型コロナに対する政府の知見も蓄積されている。このためコロナとのわれわれの闘いは新たな段階にあり、新たな課題に向き合っている」と語った。

会合後の発表文によると、孫氏はゼロコロナを意味する「動態清零」という言葉を使用しなかった。国家衛生健康委などの機関が行った前日の説明でも、これまでと異なり当局者らはこの言葉に全く言及しない一方で、高齢者らにワクチン接種を促した。
孫氏の発言は、新型コロナ感染がもはやそれほど深刻ではないことを政府として初めて公式に認めたものと捉えることができ、厳格な「ゼロコロナ」政策へのさらなる変更に道を開く。中国では広州市の一部や重慶市の中心部など、さまざまな都市がこれまでの制限措置を緩和しつつある。
ニューヨークの助言会社テネオ・ホールディングスのマネジングディレクター、ガブリエル・ウィルダウ氏は「孫氏の発言は非常に重要そうだ。ゼロコロナ政策を忠実に実施するよう地方政府に命じる中央政府の司令塔の一端を担っているためだ」と指摘。「副首相として中国共産党中央の元政治局員として言葉を慎重に選んでいる孫氏が『動態清零』という言葉を用いなかったのは偶然ではあり得ない」と述べた。

原題:China Official Behind Strict Covid Lockdowns Softens Stance (1) (抜粋)