株式のショートポジション増加、先週「顕著に弱気」に傾く-シティ
Sagarika Jaisinghani-
全体は依然「小幅」ロングも、欧米の主要指数先物でショート急増
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反騰する可能性の方が高い-HSBCのケトナー氏

People walk by the New York Stock Exchange.
Photographer: Spencer Platt/Getty Images North America株式に対する投資家のセンチメントは悲観の度を強め、米国と欧州の株価指数先物の空売りが増えている。シティグループのストラテジストが指摘した。
クリス・モンタギュー氏率いるチームによると、ポジションは先週「顕著に弱気に傾き」、S&P500種株価指数先物のショートポジションは約30億ドル(約4100億円)増加した。欧州ではユーロ・ストックス50指数先物のショートポジションが、低水準からとはいえ3倍に増えたという。
全体としてポジションは「小幅な」ロングを維持しているものの、フローの勢いが増せば相場下落を見込むポジションが増える可能性があるとストラテジストらが27日付のリポートで分析した。
一方で、現在の状況は投資家が「最近の弱気転換について確信を持ってはいない」ことも意味し得ると付け加えた。

年初の大幅な上昇の後、米国株も欧州株も先週は週ベースで今年最大の下落となった。モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏も3月は株式相場が利益低迷と高バリュエーションによる逆風にさらされると警告している。
3月の米市場、弱気相場リスクの逆風予報-モルガンSのウィルソン氏
「現在のポジションはネットロングではあるが、その度合いは縮小しており、センチメントとコンビクションが転換しつつあることを示唆している」とモンタギュー氏は質問に答える電子メールで説明。「当行のモデルからはこれが新しいトレンドの始まりなのか一時的なものなのか断定できない」と続けた。
JPモルガン・チェースのストラテジストらは27日のリポートで、株式のリスク・リワードは依然として乏しいと指摘。一方、HSBCバンクのマックス・ケトナー氏は経済が底堅く金利上昇は織り込み済みだとして、反騰する可能性の方が高いとみている。
原題:Citi Strategists Say Traders Are Piling Up Short Bets on Stocks(抜粋)