米債券市場の年内利下げ見通し、五分五分にまで後退-SOFRが示唆
Edward Bolingbroke-
強い雇用データやインフレ受け、市場はピーク金利予想を引き上げ
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エコノミストの間でも米政策金利予想の修正が進む

The seal of the US Federal Reserve Board of Governors at the William McChesney Martin Jr. Federal Reserve building in Washington, DC.
Photographer: Samuel Corum/Bloomberg債券トレーダーは、年内の米利下げ確率が50%以上あるとはもはや見込んでいない。
1月半ば時点では、米連邦公開市場委員会(FOMC)による連続利上げでリセッション(景気後退)の種がまかれ、FOMCは政策の反転を迫られるとの見方が強かった。だがそれ以降、強い内容の雇用データが続きインフレも高止まりしていることから、トレーダーは政策金利のピーク予想を引き上げ、その水準で長期間維持されると見込んでいる。
そうした見方は、担保付翌日物調達金利(SOFR)に連動する先物に表れている。2023年12月限は、1月の間は同年に予想されるピーク金利を64ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下回り、25bp利下げが2、3回ある可能性が高いことを示唆していた。また、金利がピークを付ける時期の予想は6月となっていた。
だが状況は急速に変わり、12月限は今月28日現在では予想ピーク金利をわずか約12bp下回る水準で推移している。それは25bp利下げのおよそ半分で、年内利下げの有無を巡り市場の見方が割れていることがうかがえる。ピーク金利に関しては、7月から9月の間に5.42%前後に上昇すると予想されている。
ただ判断が性急との見方も一部にはある。シティグループのストラテジスト、エド・アクトン、ビル・オドネル両氏はリポートで、6月限と12月限のSOFRのカーブは過去1カ月に急速にスティープ化しており、「明らかに買われ過ぎ」のようだと指摘した。

市場では先週、3月と5月に各0.25ポイントの利上げがあった後、6月も同じ幅で利上げが実施されるとの見方が100%織り込まれた。ウォール街のエコノミストも予想を修正しており、6月に利上げがあると見込んでいる。
原題:Bond Traders Downgrade 2023 Fed Rate-Cut Odds to a Coin Toss(抜粋)