米PCEコア価格指数は小幅上昇、個人消費支出は予想上回る伸び
Reade Pickert-
7月のPCEコア価格指数は前月比0.2%上昇、前年比4.2%上昇
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インフレ調整をした実質PCEは1月以来の大幅な伸び

An Eataly store at the Westfield Valley Fair shopping mall in Santa Clara, California, US
Photographer: Philip Pacheco/Bloomberg米個人消費支出(PCE)コア価格指数は7月に前月比ベースで小幅な上昇にとどまり、2カ月間の伸びとしては2020年終盤以来の最小となった。同指数は米金融当局が基調的なインフレの指標として重視している。個人消費を促すとともに、経済はリセッション(景気後退)を回避できるとの期待を高める格好となった。
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インフレ調整をした実質PCEは前月比0.6%増。1月以来の大幅な伸びとなった。
低いインフレの数字は、米金融当局が物価圧力の抑制において過去1年余りに遂げた進展を示す。とはいえ、勝利宣言する状況では全くない。個人消費の強さはインフレ緩和を継続させようと努める当局にとって新たな懸念材料となる。
今回の統計で一つ気掛かりなのは、米金融当局が注視するサービス価格の指数。ブルームバーグの算出によれば、住宅・エネルギーサービスを除くサービス業の価格指数は前月比0.5%上昇し、1月以来の高い伸び率だった。ポートフォリオ管理や投資顧問で異例な伸びが示され、指数全体をゆがめる格好となった。このカテゴリーを除いたベースの、いわゆる「スーパーコア」サービス価格指数は前月比で0.25%上昇。
7月は賃金・給与が上昇した一方、個人消費を支える実質可処分所得は前月比0.2%減少した。
財への支出はインフレ調整後で前月比0.9%増と、1月以来の大幅増加。さまざまな財への消費が拡大した。
サービスへの支出は0.4%増と、前月から伸びが加速。外食が増えたほか、平年より気温が高かったことから公益サービスの利用も増加した。「バービー」や「オッペンハイマー」などの映画やコンサートへの支出も伸びに寄与した可能性が高い。
ブルームバーグ・エコノミクスのスチュアート・ポール、イライザ・ウィンガー両エコノミストは、「消費の主要なカタリストが夏の大ヒット映画やコンサートツアー、株式相場の上昇と、総じて一過性のものであることから、消費減速は差し迫っているというのがわれわれの見方だ」とコメントした。
貯蓄率は3.5%に低下し、昨年11月以来の低水準となった。最近の消費ペースはこの先持続できない可能性があることが示唆された。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:Fed’s Preferred Inflation Gauges Rise Modestly, Spending Jumps(抜粋)、US July Personal Spending Rose 0.8% M/m; Est. 0.7%(抜粋)