米個人消費支出、10月は伸び縮小-価格指数も鈍化で景気減速示唆
Joshua Robinson、Augusta Saraiva-
インフレ調整後の実質PCEは前月比0.2%増、前月は下方修正
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PCEコア価格指数は前月比0.2%上昇、前年比3.5%上昇
10月の米個人消費支出(PCE)は、インフレ鈍化が続く中で前月から伸びが縮小した。経済のギアがより低速度へと切り替わっていることを示唆している。
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PCE総合価格指数は前月比変わらず、市場予想は0.1%上昇だった。エネルギー価格の低下を反映した。前年同月比では3%上昇と、2021年3月以来の小幅な伸びとなった。市場予想の3.1%上昇を下回ったが、米金融当局が目指す2%の目標はなお上回っている。
今回のPCEデータは、米経済が約2年ぶりの高い成長を記録した前四半期から10-12月(第4四半期)に減速するとの予想に整合する。需要が冷え込みつつあることで、米金融当局はインフレ圧力が今後も継続的に後退するとの確信を深めるとみられ、利上げ打ち止め観測を後押しするだろう。

コメリカ・バンクのチーフ・エコノミスト、ビル・アダムズ氏は「米金融当局は今のところ据え置きの姿勢を保っているが、利下げへの軸足転換は近づいている」と指摘。「インフレは明らかに鈍化しており、雇用市場も想定以上のペースで弱まっている」と述べた。
米金融当局が注目する住宅とエネルギーを除くサービス業の価格指数は前月比0.1%上昇と、今年これまでにつけた最も小幅な伸びに一致した。
インフレ調整後の実質ベースで、財への支出は0.1%増加。自動車など耐久財への支出が減少したことで抑えられた。サービスへの支出は0.2%増えた。
個人消費を支える実質可処分所得は0.3%増加。これは5月以来の大きな伸びで、利息と配当の支払いに支えられている。
一方、インフレ調整前の賃金・給与は0.1%増にとどまり、今年最も小幅な伸びとなった。貯蓄率は3.8%にやや上昇した。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Economy Slowed in Recent Weeks With Inflation, Labor Cooling、US Oct. Personal Spending Rose 0.2% M/m; Est. 0.2%(抜粋)