NY連銀総裁、景気抑制的な金融政策「かなりの期間」続くと想定
Alex Harris-
政策金利は「過去25年で最も景気抑制的」-ウィリアムズ総裁
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当局のスタンスは景気抑制的、状況は正しい方向に向かっている
米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、政策金利はピーク水準にあるか、それに近いとの見解を改めて示した。また金融政策は「非常に景気抑制的」だと述べた。

総裁は30日、ニューヨーク連銀で開かれたブレトン・ウッズ委員会の会議で、金利は「過去25年で最も景気抑制的だと推定される」とし、「バランスを完全に取り戻し、インフレ率を当局の中長期的な目標である2%へと持続的に低下させるため、景気抑制的なスタンスをかなりの期間維持するのが適切になると想定される」と述べた。
12月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合では、景気動向を見極める時間をさらに得るため政策金利が据え置かれると、市場は見込んでいる。
一方で債券市場では引き締めサイクルが終了するとの予想が強まっており、来年5月までに最初の利下げがあるとの見方がほぼ織り込まれている。
ウィリアムズ総裁は講演後、記者団に対し、市場の予想を「あまり気にしてはいない」とし、利下げはインフレと経済がどう展開するかに左右されると述べた。
インフレ率について総裁は、当局目標の2%に向けて低下を続けると予想。当局が重視するインフレ指標は来年に2%を若干上回る水準に下げ、2025年には同水準に近づくとの見通しを示した。個人消費支出(PCE)総合価格指数は10月、前年同月比3%上昇に伸びが鈍化した。
総裁は記者団に対し、「金融当局は景気抑制的なスタンスを取っており、状況は正しい方向に向かっている」と発言。「さらなる行動が必要かどうか見極めることが可能な状況だ」と続けた。
ただその上で、物価圧力が自身の予想より根強いと分かった場合は「追加の政策引き締めが必要になるかもしれない」と指摘。他の当局者と同様、現在の政策スタンスが十分に景気抑制的かどうか精査するため、今後もデータの注視を続ける必要があると強調した。
参考記事:
SF連銀総裁、利下げは現時点で全く考えず-金利「非常に良い位置」
原題:Fed’s Williams Expects Policy to Stay Restrictive for Some Time(抜粋)